先生のこと

今日は、ハンガリーでのレッスンについて書いてみたい。

私の先生は、お年を召した方だったがとてもナイーブで研究熱心な方だった。

「日本人の生徒なんてはじめてだ」と嬉しそうにレッスンしてくださった。

昔は、生徒に「この〜お前は牛か!」と怒鳴るような熱血先生だったらしいが私がお世話になったころはそんな感じは微塵もなかった。ただ、イライラすると隠そうともしなかった。
私がよく言われたのは、「どこへお急ぎ?」という一言だ。余裕なく弾いていると、いつもそう言われた。


レッスンではハンガリー語がまだできない私に、英語を使いたくて辞書まで持ってきてくださった。その辞書もたびたび役にたった。細かいことにこだわり、なぜ私ができないのかを私以上に真剣に、答えが出るまで一緒に考えていただいた。原典版や本がたくさんあるおうちで、レッスンのたびにいろいろと引っ張り出してきては見せてくれた。

先生は、ハンガリーで主に使われているバイオリン教本を書いた方で、バイオリン指導のクラスも大学で持っていた。私は受講できなかったが、先生が子供へレッスンするのを見学する機会はたびたびあり、今のレッスンに生かしているつもりだ。

ハンガリーで感じたことを、また書いていきたいと思う。